2026/10/07
京都の鍼灸師から、こころが疲れているあなたへ

「何をしても楽しめない」
「わけもなく涙が出る。朝、布団から出られない」
「好きだったことにも、興味がわかなくなった」
こころが重い日が続くのは、本当につらいことです。そして、そのつらさは、周りにはなかなか伝わりにくいものです。
京都で鍼灸の仕事をして21年。体の不調のご相談のなかで、こうしたこころの重さに触れることがあります。今日は、鍼灸師の立場から、いちばん大切にお伝えしたいことを書きます。
いちばん大切なこと ― ひとりで抱えないで
こころの重さが続いているなら、どうか、ひとりで抱えこまないでください。心療内科や精神科は、特別な場所ではありません。
つらさを言葉にしに行く、それだけで十分な理由になります。
とくに、
〇強い絶望感がある
〇消えてしまいたいと感じる。
そんなときは、我慢せず、すぐに医療機関や相談窓口(「いのちの電話」などの電話相談を含みます)に連絡してください。
あなたは、ひとりではありません。
それは、こころの弱さではありません
「気の持ちようだ」「甘えているだけ」。そんな言葉に、傷ついてきた方がいるかもしれません。
けれど、こころの落ち込みは、意志や性格の問題ではありません。脳や体の状態が関わる、れっきとした不調です。頑張れないのは、あなたが弱いからではなく、こころと体が「もう休ませて」と伝えているからなのです。
こころと、からだは、つながっている
気分が沈むとき、体にも変化が現れます。眠れない、食欲がない、体が重い、疲れが取れない。こころの重さと体の不調は、切り離せないものです。
気分の落ち込みの背景には
〇気滞(きたい)めぐるはずのエネルギーが滞った状態。
原因:ストレス、緊張が続いた、気持ちを出せない状況。
症状:イライラしやすい、憂鬱感、不安感、喉のつまり感、腹部の張り感
〇気虚(ききょ)体を動かすためのエネルギーが不足している状態。
原因:過労、睡眠不足、胃腸の調子が悪い
症状:疲労感、倦怠感、食欲不振、胃もたれ、やる気が出ない、朝が起きれない。
東洋医学では古くから、こころと体をひとつのものとして見てきました。
かんたんセルフチェック
次のような状態が2週間以上続くときは、専門家に相談する目安になります。
□ 一日中、気分が沈み、何も楽しめない
□ 眠れない、または眠りすぎてしまう
□ 食欲がない、または過食してしまう
□ 自分を責める気持ちが、頭から離れない
当てはまるものが続くなら、それは怠けではなく、助けを求めてよいサインです。
元気がない日に、できること
できる日に、できることだけで大丈夫です。できなくても、自分を責めないでください。
① できる範囲で、朝の光を浴びる
カーテンを開けるだけでもかまいません。朝の光は、乱れがちな体のリズムを、そっと支えてくれると言われています。
② 眠れなくても、体を横にして休める
眠らなければ、と気負わなくて大丈夫です。ただ横になって体を休めるだけでも、こころとからだの負担は少し軽くなります。
③ つらさを、誰かにひと言、話してみる
信頼できる人に、専門家に、たったひと言でも。内にためた思いを外に出すことが、重さをわずかにゆるめてくれることがあります。
焦らなくて、大丈夫
回復に、決まった道のりはありません。良くなったり、また沈んだり。その波があって当たり前です。辛いと思いますが、早く治そうと焦らなくて大丈夫です。
今日を、なんとか越えられたなら、それで十分です。どうか、あなた自身にやさしくしてあげてください。
我慢せず、早めのケアを

そして、支えが必要なときは、専門家を頼ってください。体の重さやこわばりをやわらげたいとき、治療を続けながら、体をととのえる時間として、鍼灸を使っていただくこともできます。いつでも、ご相談ください。
うつ症状の症状別コラムも参考にしてみてくださいね。

