2026/09/09
京都の鍼灸師が考える、免疫の不調との付き合い方

「昨日は動けたのに、今日はどうにも起き上がれない」
「良い日と、そうでない日の差が大きくて、予定が立てられない」
「頑張りたいのに、体がついてこない」
免疫が関わる不調とともに過ごしていると、この調子の波に、振り回されることがあります。波そのものが、心をすり減らしていきますよね。
京都で鍼灸の仕事をして21年。病気とうまく付き合いながら穏やかに過ごしている方には、共通する暮らし方があると感じています。
はじめに ― まず、治療を土台に
いちばん大切なことから、お伝えします。
診断を受けている方は、主治医の治療を最優先にしてください。自己判断で薬を減らしたり、やめたりしないこと。この記事でご紹介するのは、治療と並行して行う、日々の一般的なセルフケアです。
治療という土台があってこそ、日々のケアは生きてきます。この記事は、その土台の上で、毎日を少しでも心地よく過ごすための工夫をまとめたものです。
調子の波は、気のせいではありません
「昨日はできたのに」「気合いが足りないのだろうか」そんなふうに、自分を責めてしまう方は少なくありません。
けれど、調子に波があるのは、あなたが頑張れていないからではありません。免疫の不調とは、もともとそういう性質のものです。21年診てきて、その揺れは体の状態そのものであって、心の弱さではないと、はっきり感じています。
東洋医学は、全身のバランスを見る
東洋医学は、もともと体の一部ではなく、全身のつり合いを見ようとする医学です。
その中で、体が本来もっている、自分を守り、立て直そうとする力のことを、正気(せいき)と呼んできました。全身の調子がととのっていると、この力は保たれやすいと考えられています。
〇正気(せいき)の低下による外邪(がいじゃ)の侵入
自然治癒力や生命力である正気が低下することで外邪(風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・熱邪)の侵入を許し、関節や筋肉に入ると炎症やこわばりや腫れを起こしてしまう。
原因:ストレス、生活習慣の乱れ、疲労
だからこそ、特別なことをするより、体の土台をととのえ、負担を減らしていくことを、私は大切にしています。
かんたんセルフチェック
当てはまるものが多いほど、体に負担がかかりやすくなっているサインかもしれません。
□ 寝不足や疲れがたまると、調子を崩しやすい
□ 強いストレスのあとに、波が大きくなる
□ 体が冷えると、こわばりや重さが増す
□ 調子の良い日に動きすぎて、あとで反動が出る
今日からできる、3つの養生
むずかしいことは必要ありません。今日からできることを、3つだけ。
① 自分の「引き金」を知る
何が波を大きくするのかは、人によって異なります。手帳に「調子」と「その日あったこと」をひと言ずつ。続けるうちに、自分の引き金が見えてきて、前もって備えられるようになります。
② 頑張りすぎない ― 7割の力で
調子の良い日ほど、注意が必要です。一気に動くと、反動が翌日以降にきます。全部やろうとせず、7割で手を止める。疲れきる前に休む。余力を残す感覚が、波を穏やかに保ちます。
③ 体を、芯から温める
冷えは、めぐりを滞らせ、こわばりや疲れの一因になると考えられています。ぬるめのお湯にゆっくり浸かり、お腹と足もとを冷やさない。芯から温まると、力が抜けて休みやすくなります。
3週間を目安に、続けてみてください
波と付き合う暮らしは、一日で身につくものではありません。けれど3週間ほど続けると、「責めることが減って、少し楽になった」と感じる方もいらっしゃいます。
良い日は、その心地よさを味わって。そうでない日は、責めずに、しっかり休む。その積み重ねが、あなたの毎日を、少しずつ穏やかにしていきます。
■我慢せず、早めのケアを

日々のこわばりや疲れをやわらげたいとき、体をととのえる時間として、鍼灸を役立てていただくこともできます。
一度ご相談いただければと思います。どうしたらいいか分からない不調を、根っこから見つめ直すお手伝いができればうれしく思います。
アレルギー・自己免疫系の症状別コラムも参考にしてみてくださいね。

