2026/09/03
京都の鍼灸師が考える、免疫と暮らしの関係

花粉症、食物アレルギー、アトピー。そして、膠原病と呼ばれる一群の病気。
免疫が関わる不調は、この数十年で増えていると言われています。とくに、環境の影響を受けやすい子どものアレルギーが急増したことは、その変化を象徴しているのかもしれません。
なぜ、免疫の不調はこれほど増えているのでしょうか。京都で鍼灸の仕事をして21年。この問いについて、私なりに考えてきたことをお話しします。
免疫は、精巧なバランスの上に成り立っている
私たちの体には、外から入ってくる有害なものから身を守る免疫の仕組みが備わっています。これはとても精巧に設計されていて、いくつものシステムが互いにバランスを取りながら、敵だけを狙って働くようにできています。
大切なのは、免疫は強すぎても、弱すぎてもいけない、ということです。働きすぎれば、本来は無害なものにまで過剰に反応してしまう。働かなければ、守る力が足りなくなる。ちょうどよいバランスの上に、私たちの健康は成り立っているのです。
暮らしの変化に、体が追いついていない
では、そのバランスは、なぜ崩れやすくなっているのでしょうか。
ひとつの有力な見方として、私たちの暮らす環境が、あまりに急激に変わったことが挙げられています。生活が清潔になり、感染症の病原菌や寄生虫にふれる機会は大きく減りました。一方で、これまでになかったさまざまな物質が、暮らしの中に入り込むようにもなりました。
長い時間をかけて慣れ親しんできた環境が、ほんの数十年で様変わりした。その変化に、免疫の仕組みがまだ適応しきれていないのではないか、そう指摘されています。
体質という土台と、発症の引き金
もうひとつ、見過ごせないのが、生まれ持った体質です。免疫の働きは、遺伝的な要素にも大きく左右されると言われています。もともとアレルギーが出やすい、免疫が乱れやすい、という体質は確かにあります。
そうした土台を持つ方が、大きなストレスや疲労の蓄積といった引き金に見舞われたとき、不調として現れてくることがあります。つまり、体質という土台の上に、暮らしの負担が重なったとき、バランスは崩れやすくなるのです。
だからこそ、全身をととのえる
免疫のバランスは、一部分だけを見て何とかなるものではありません。だからこそ、体全体の調子をととのえ、無理のない状態を保つことが大切だと、私は考えています。
東洋医学は、もともと体の一部ではなく、全身のバランスを見ようとする医学です。疲れをためない。よく眠る。体を冷やさない。ストレスをこまめに手放す。当たり前のようでいて、こうした日々の積み重ねが、体という土台を支えていきます。
治療を土台に、暮らしをととのえる
免疫が関わる病気は、専門的な診断と継続的な治療が必要です。すでに診断を受けている方は、主治医の治療を最優先に、指示に沿って続けてください。
そのうえで、日々のこわばりや疲れをやわらげ、心身をゆるめる時間として、鍼灸を役立てていただくことはできます。膠原病やリウマチの経過を見守りながら、生活をととのえる目的で通われる方もいらっしゃいます。
病気とどう付き合っていくか。その毎日を、少しでも心地よく過ごせるように。体の土台を支えるお手伝いができればと思っています。気になることがあれば、一度ご相談ください。
■我慢せず、早めのケアを

体質から整えていきたいとお考えでしたら、鍼灸という選択肢もあります。
一度ご相談いただければと思います。どうしたらいいか分からない不調を、根っこから見つめ直すお手伝いができればうれしく思います。
アレルギー・自己免疫系の症状別コラムも参考にしてみてくださいね。

