2026/07/28
京都の鍼灸師が考える、自律神経の乱れとの向き合い方

だるい、眠れない、頭が重い、胸がざわつく。
ひとつひとつは、それほど大きくないかもしれません。
でも、いくつも重なって、なんとなく毎日がつらい。そんな状態が続いていませんか?
京都で鍼灸の仕事をして21年。30代から50代の女性の患者さんから、こうした「いろんな不調が重なる」ご相談をよくいただきます。
病院で検査を受けても異常なし、あるいは「自律神経の乱れかもしれませんね」と言われた、という方も少なくありません。
バラバラに見える不調が、つながっているとき
不眠、だるさ、頭の重さ、めまい、気分の浮き沈み。一見バラバラに見えるこれらの不調が、実は一本の糸でつながっていることがあります。
その糸が、自律神経です。21年診てきて、症状が全身にまたがるとき、その背景に自律神経の乱れが関わっている場合が多いと感じています。
自律神経は、体の「アクセルとブレーキ」
自律神経は、私たちが意識しなくても、体を24時間調整し続けています。
日中に働く活動モード(交感神経)は、いわばアクセル。夜に働く休息モード(副交感神経)は、ブレーキ。この2つがなめらかに切り替わることで、体は心拍も、体温も、消化も、睡眠も、ちょうどよく保っています。
ところが、アクセルとブレーキの切り替えがうまくいかなくなると、あちこちに不調が現れます。不調が全身に散らばるのは、自律神経が全身をつかさどっているからなのです。
なぜ、切り替えが乱れるのか
ストレス、不規則な生活、疲れ、季節の変わり目。こうしたものが重なると、アクセルを踏みっぱなしの状態が続き、ブレーキが利きにくくなると言われています。
東洋医学では、こうした状態の原因として、
①気滞(きたい)
体の中のエネルギーである、気の流れが悪く滞ってしまっている状態。
症状:喉のつかえ、イライラ、憂鬱感、お腹の張り
➁気虚(ききょ)
エネルギー(気)が足りていない状態。
症状:疲れやすい、だるさ、お腹が空かない、軟便や下痢
③血虚(けっきょ)
全身に栄養や潤いを行き渡らせる「血」が不足した状態。
症状:めまい、眠りが浅い、動悸、不安感、爪が割れやすい
かんたんセルフチェック
当てはまるものが多いほど、自律神経に負担がかかっているサインかもしれません。
□ 眠りが浅く、日中もだるさが抜けない
□ 頭の重さ、めまい、胸のざわつきなどが日替わりで出る
□ 気持ちの浮き沈みが激しい
□ 肩・首がこり、体がいつも緊張している
今日からできる、3つの養生
むずかしいことは必要ありません。今日からできることを、3つだけ。
① 起きる・食べる・寝る時間を、なるべく一定に
自律神経は、体のリズムに支えられています。まずは起床時間だけでも一定にしてみてください。土台のリズムが整うと、切り替えも安定しやすくなります。
② 首の後ろを、温める
首の後ろは、自律神経が集まりやすい場所と言われています。蒸しタオルやお風呂でじんわり温めると、ブレーキ側が働きやすくなります。
③ 一日にひとつ、「何もしない時間」をつくる
アクセルを踏みっぱなしにしないこと。数分でかまいません。ぼんやり空を眺める、深く息を吐く。意識して力を抜く時間が、切り替えを助けます。
3週間を目安に、それでも不安なら
乱れたリズムは、一日では整いません。けれど3週間ほど続けると、「重なっていた不調が、少しずつほどけてきた」と感じる方が多いものです。
「なお、自律神経の乱れに似た症状は、ほかの原因が隠れていることもあります。症状が強い・長く続くときは、自己判断せず、一度医療機関で相談してください」
■我慢せず、早めのケアを

そのうえで、体質から整えていきたいとお考えでしたら、鍼灸という選択肢もあります。
一度ご相談いただければと思います。どうしたらいいか分からない不調を、根っこから見つめ直すお手伝いができればうれしく思います。
自律神経失調症の症状別コラムも参考にしてみてくださいね。

